結婚式のお車代の封筒マナーとは?いつ・誰に・いくら渡すのかを解説!
遠方から列席してくれたり、結婚式の手伝いをしてくれたりしたゲストに渡す「お車代」。
封筒の選び方やお金の包み方、渡し方などに関して、こまかなルールがあるんです。
知らないままにしていると、「非常識だな」と思われてしまうかも。
今回は、お車代の概要や封筒の選び方・書き方、お金の入れ方について解説します。
「どのタイミングで誰が渡すのか」や「金額の相場」といった、気になるポイントも詳しくご紹介するので、ぜひご覧ください。
2023年08月31日更新
Contents
結婚式のお車代って?
「結婚式ではお車代を渡す必要がある」と聞いたけれど誰に渡すのかわからない、と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
そのようなお悩みを持っている方に向けて、どのような場合にお車代を用意するのかを、具体的に解説します。
遠方からのゲストやスピーチをお願いしたゲストの交通費
結婚式のお車代とは、遠方から列席してもらうゲストに対して渡す交通費・宿泊費のことです。
「遠いところから来てくれてありがとうございます」という感謝の気持ちを込めて、友人や親族に関わらずに、一定額のお車代を渡すようにしましょう。
祝辞を述べる「主賓」や、乾杯の挨拶を行うゲストにも、お礼としてお車代を渡すのがマナーです。
「遠方」といっても、どこからが遠方なのか迷いますよね。
次のような場合は、ゲストにお車代を用意したほうがよいでしょう。
新幹線や飛行機を利用する片道の交通費が5,000円以上
片道に数時間以上かかる
宿泊が必要
特急料金や高速料金が発生する
ゲストに直接交通費を尋ねるのはマナー違反になることも。
交通手段や宿泊するホテルを聞いておき、自分たちで調べた金額を渡すのが一般的です。
なお、地域や家庭によって慣習が異なる場合があります。
「お互いに結婚式に呼ぶので親戚同士ではお車代はいらない」と考える方も。
事前に確認しておくと、当日スムーズに対応できます。
お車代と混同されやすいのが、「お礼」や「心付け」。
受付やスピーチなど、式の手伝いをしてくれるゲストに渡すのがお礼です。
一方、式場のスタッフやヘアメイク、カメラマンに渡す謝礼を心付けと言います。
お礼をお車代として渡すケースもあるようです。
ゲストに対してはお車代・お礼で、スタッフには心付けを渡すと区別しておきましょう。
お車代を入れる封筒の準備
お車代を用意することがわかった段階で、お金だけでなく封筒も準備する必要があります。
封筒を準備するときは、次の2点が重要です。
・金額に合わせた封筒を用意する
・カジュアルな式やパーティーならDIYでもOK
それぞれ詳しく解説していきます。
金額に合わせた封筒を用意する
お車代は金額に合わせた封筒を用意する必要があります。
望ましい封筒を、金額ごとにまとめました。
【1万円以下】
ポチ袋や封筒
【1万円前後】
水引やのしがプリントされた略式のご祝儀袋
【2万円以上】
水引やのしがついた正式なご祝儀袋
ポチ袋に入れると「ほんの気持ち」という意味合いが伝えられて、相手も気を遣わずに受け取れます。
最近では、ポチ袋を手作りするのも人気です。
DIYの封筒については「カジュアルな式やパーティーならDIYでもOK」で詳しく解説します。
1万円前後であれば略式を、2万円以上であれば正式なご祝儀袋を用意します。
結婚式は、一度きりが好ましいイベントです。
そのため、水引きは一度結ぶとほどけないタイプの「結び切り」や「あわじ結び」、「梅結び」を選びましょう。
繰り返しを連想させる「蝶結び」や「花結び」では失礼となります。
カジュアルな式やパーティーならDIYでもOK
先ほど述べたとおり、1万円以上であればお車代をご祝儀袋に入れるのが一般的です。
しかし、カジュアルな式やパーティーならばDIYでも問題ありません。
また、ポチ袋は「こころばかり」の気持ちを込めるものなので、手作りする方が増えています。
インターネットで調べれば、おしゃれなデザインの無料テンプレートがあります。
ダウンロードして印刷することで、センスあふれるご祝儀袋を作成可能です。
他人とかぶらないオリジナリティのある封筒を作れる点が、手作りするメリットです。
たとえば、ウェルカムボードやペーパーアイテムに取り入れたフレーズを、封筒にも印刷すると素敵ですね。
さりげない演出に、心を温めるゲストもいるでしょう。
ご祝儀袋を購入すると、1枚あたり数百円ほどかかります。
一方、紙と水引さえ購入すれば自宅にあるハサミやのりで作成できるので、DIYはコストダウンにもつながります。
「手作りするのが好き」または「自分らしいご祝儀袋を渡したい」という方は、DIYにチャレンジしてみるのもおすすめです。
封筒の書き方のマナー
封筒の書き方のマナーについて、3つのポイントを解説します。
表書き・名入れについて
中袋・宛名について
書くときに使用する道具について
名前の書き方や使用する道具など、こまかなルールがあるので要チェックです♪
表書き・名入れについて
まずは、水引より上の部分に表書きを書きます。
表書きは、贈り物の目的を伝えるために書かれるものです。
名目は「御車代」または「御車料」でOK。
「御礼」や「寿」と記載する場合もありますね。
表書きの下には名前を記載します。
名入れに関しては、ゲストを招待した側の名字を書くのが一般的です。
ふたりが共にお世話になっているゲストの場合は、両家連名で書くこともあります。
連名で書く際は右側に新郎の苗字を、左側に新婦の苗字を書きましょう。
新婦の苗字は当日に渡すならば旧姓、後日渡すならば新姓を記載します。
なぜなら、結婚後は旧姓でなく新姓になっている扱いだからです。
ポチ袋の表書き・名入れについても、ご祝儀袋と同様の書き方で問題ありません。
もしポチ袋の表面に書く場所が少ないならば、裏面の左下に名前を書くとよいですね。
中袋・宛名について
ほとんどの場合、ご祝儀袋には無地の中袋が入っています。
中袋は金額や氏名、住所を記入するものです。
お車代はお祝い金ではないため、中袋は無地のまま渡します。
お車代の封筒には相手の名前は書きません。
名前を書いていないので、渡し間違いが起きないように注意してください。
受付担当者に受け渡しを依頼する際は、特に注意が必要です。
相手の名前を付箋に記入して、封筒に貼っておけば渡し間違いを防止できます。
ゲストに渡す際は付箋を外すのを忘れずに。
付箋がはがれないか不安なときは、カラーマーカーがおすすめです。
裏面などの目立たない場所にマーカーで印をつけることで、誰に渡すお車代かを明確にします。
ゲスト名簿に「どの印を誰に渡すか」を書きこんでおけば、受付担当者でもわかりやすいですね。
書くときに使用する道具について
封筒に表書きや名前を書くときは、毛筆や筆ペンを使用します。
鉛筆やシャーペンだけでなく、ボールペンやサインペンもマナー違反です。
薄い墨はお悔やみごとをイメージさせてしまいます。
できるだけ濃い墨で、はっきりと書くように心がけましょう。
手書きに自信がない場合、次のような方法があります。
プリンターを使って印刷する
代筆サービスを利用する
プリンターを使うと、手軽に美しい字を印刷できますね。
表書きのみ印刷をして、苗字だけは自分で書くのも方法のひとつです。
文房具店やブライダルサロンによっては、代筆サービスを提供していることも。
「手書きにこだわりたいけれど、自分では書けない……」とお悩みの方は、代筆サービスを検討してみてください。
お車代の封筒への入れ方
ここからは、お車代の封筒への入れ方をご紹介します。
お祝いごとで使用される「祝儀袋」と、お悔やみの気持ちを表現する「不祝儀袋」ではマナーがまったく異なります。
「お葬式のときはこうしたな……」とお車代を用意すると、マナー違反をしてしまうかもしれません。
恥ずかしい思いをしないように、ルールをしっかりとおさえることが大切です。
ご祝儀袋(長形封筒)の場合
ご祝儀袋の場合、お札の人物の絵が上側になるように入れましょう。
お札は折らずに封筒に入れるのがマナーです。
そして、ご祝儀袋の裏の折り返し部分は「下側を上にする」ように折ります。
この折り方には「上を向けるように」という意味が込められているんです。
一方、お葬式で使用する不祝儀袋は、折り返し部分の「上側を下にする」ように折ります。
シーンによって封筒の折り方が異なるので、間違えないように注意してください。
ポチ袋の場合
ポチ袋の場合、ご祝儀袋よりもサイズが小さいためお札を折る必要があります。
お札の向きをそろえて、三つ折りにしましょう。
折り方・入れ方の方法は次の通りです。
1、お札の表面(人物の絵が印刷されている面)の左側から3分の1を内側に折る
2、右側から3分の1を重ねるように折る
3、お札の表面を封筒の表面にし、肖像が逆さまにならないように入れる
上記の手順にすることで、受け取った相手にとってお札が開きやすく、いくら入っているのかが確認しやすくなります。
糊付けは不要!新券の用意を忘れずに
お車代は、新札を用意するようにしましょう。
お札を新たに用意することで、ゲストに対して感謝の意を表現するためです。
くしゃくしゃに折れたお金を渡すと、失礼にあたります。
「ポチ袋に入れるので結局はお札を折る」という場合でも、新札を用意する方がベター。
銀行に行けば手持ちのお札を新札に交換できますが、一度に交換できる枚数には制限があります。
銀行によって手数料や枚数上限数が異なるので、出かける前に確認しておきましょう。
複数回銀行に行く可能性も考慮して、1週間前くらいには銀行窓口やATM、両替機で準備しておくと安心ですね。
ほとんどの銀行窓口は、平日の9〜15時しか開いていません。
店舗によっては、両替機がなかったり窓口で両替を行わなかったりするケースがあるので、注意してください。
ゲストがすぐに中身を確認できるよう、お車代の封筒は糊付け不要です。
帰りの交通費でお車代を使う場合、糊付けをしているとかえってゲストの手をわずらわせてしまいます。
中身が出ないか不安であれば、シールで軽くとめておくのがおすすめです。
お車代の注意点
最後に、お車代の注意点を2つピックアップします。
渡す相手ごとに、どのようにお車代を渡すべきなのかを見ていきましょう。
いつ、誰が渡す?
お車代は受付時に「受付係」または「招待した側の両親」から渡します。
一般ゲストの場合は受付にてご祝儀を渡しますが、親族は結婚式までに新郎新婦に手渡しすることが多いです。
そのため、親族は受付を通らない場合があります。
渡しそびれがないように、親族へのお車代は受付係ではなく、両親にお願いしておきましょう。
親族が会場入りするのは挙式の約1時間半前。
通常のゲストよりも早くに集まり、親族顔合わせや親族紹介を行います。
親族で顔合わせをするタイミングで、両親から手渡してもらうとよいですね。
お車代はすべてのゲストに用意するものではないので、あまり目に触れないようにするのが礼儀です。
「披露宴が終わったあとに渡そう」と考えていても、ゲストがすぐに帰ってしまうことも。
「いつ・誰に・誰が」お車代を渡すのか、あらかじめ決めておくことがポイントです。
「封筒の書き方のマナー」で解説したように、ご祝儀袋には相手の名前を書きません。
付箋やカラーマーカーを使い、リストを作成すれば渡し間違いを防げます。
受付係に依頼する際は、リストを渡して打ち合わせを行うようにしましょう。
披露宴中に渡せなかったら、お見送りのときにプチギフトと一緒に渡します。
しかし、結婚式当日はどうしても慌ただしくなってしまうことも。
当日渡せなかった方には、なるべく早めに「郵送」または「直接渡す」といった対処が必要です。
金額の相場は?
お車代はゲストの役割によって金額が異なります。
以下に、それぞれの金額の相場を表にまとめました。
下記は目安となる金額なので、あくまでも参考に留め、地域の慣習や相手との関係性を踏まえたうえで、最終的な金額を決めましょう。
【遠方からのゲスト】
「交通費+宿泊費」の半額~全額を負担主賓や乾杯の挨拶を担当するゲスト1~3万円※遠方から列席してもらう場合は「交通費+宿泊費」の半額~全額を上乗せする(上乗せ金額は1万円以上)
【受付を担当するゲスト】
3,000~5,000円※同額程度の品物を贈ってもよい
【司会を担当するゲスト】
1~3万円
【スピーチや余興を担当するゲスト】
3,000~5,000円
※同額程度の品物を贈ってもよい
【2次会の幹事を担当するゲスト】
5,000~3万円
【撮影を担当するゲスト】
1~3万円
【フラワーガールやリングボーイなどを担当するお子さん】
1,000~3,000円
※同額程度の品物を贈ってもよい
お車代は、1万円などのキリのいい数字で用意する方が好ましいでしょう。
たとえば「交通費が往復で25,000円かかる」方の場合、半額だと12,500円になりますが、小銭を入れたりお札の枚数が多くなることを避けて15,000円などとする方がベターです。
「ご祝儀は偶数を避けるべき」と言われますが、お車代に関しては偶数でも問題ありません。
主賓・乾杯の挨拶を担当するゲストに遠方から列席してもらうならば、上乗せする交通費は1万円以上にします。
また、同じエリアから複数のゲストを招待する際は、同じ金額を用意するのが基本です。
受付やスピーチを友人に依頼する場合、現金ではなくプレゼントを用意する方もいます。
現金よりも気を遣わずに受け取ってもらえるのがメリットです。
もしお車代を「いらない」と言われたら、プレゼントで感謝の気持ちを示してみては。
大勢の方に余興をしてもらい、一人ひとりにお車代を渡すことが難しいときは、食事でおもてなしをするのも手段のひとつです。
フラワーガールなどで式を手伝ってくれたお子さんには、お菓子やおもちゃをプレゼントすると喜ばれるでしょう。
お車代でゲストに感謝の気持ちを伝えよう
今回は、お車代の封筒の選び方や書き方、お金の入れ方について解説しました。
金額によって選ぶべき封筒が異なるので、注意しましょう。
1万円以下であればポチ袋、1万円以上であればご祝儀袋を使用します。
名目には「御車代」もしくは「御車料」と書き、中袋には何も記載しません。
相手の名前を封筒に記載しないため、それぞれを区別できるように付箋を使うと便利です。
基本的には、お車代は受付係か招待した側の両親から渡します。
「ゲストがすでに帰ってしまいお車代を渡せなかった」という事態にならないよう、いつ誰が渡すのかあらかじめ考えておきましょう。
なんとなくお車代を用意していると、意図せずにマナー違反をする場合があります。
ゲストに対して失礼のないように、ルールを確認してから準備をしてみてください。