結婚指輪と婚約指輪の素材選び!人気の金属や選ぶ時のポイントは?
結婚指輪(マリッジリング)や婚約指輪(エンゲージリング)などのブライダルリングを選ぶ際に、悩みの種になるのが素材選び。同じデザインでも、素材が変わるだけでまったく違った印象になりますよね。素材同士を配合する場合、割合次第でも異なる性質になります。
そこで今回は、ブライダルリングに用いられる素材についてご紹介します。婚約指輪と結婚指輪は、素材ごとに見た目や手入れの方法、値段、華やかさが異なるもの。さまざまな素材の特徴を見比べつつ、時には実物をチェックしながら、理想の指輪作りを進めていきましょう。
2023年10月26日更新
Contents
婚約指輪と結婚指輪の素材選びのポイント
ここでは、婚約指輪と結婚指輪の素材を選ぶ際のポイントをご紹介します。
特に毎日着用する結婚指輪では、おしゃれで華やかなだけではなく、普段使いがしやすいかも重要です。
素材選びで後悔する事態にならないように、ふたりで相談しながら決めていきましょう。
日常使いする前提で、自分に似合うかどうかで考える!
婚約指輪の場合は、仕事やライフスタイルによっていつもはつけられないという場合も。
特別な日にだけつけるという場合は、好みや華やかさで選ぶのも問題ないでしょう。
ですが結婚指輪の場合は毎日つける人も多いため、特に慎重に選びたいもの。
素材選びでは、主に以下のポイントに注意しましょう。
●日常使いに耐えられる耐久性がある
●自分の手に似合う
●変質・変色・変形がしにくい
●メンテナンスが簡単
●アレルギーに対応している
なかでも、毎日のように視界に入る結婚指輪だからこそ「手元との相性」は重要なポイントです。もちろん自分が好きな素材を選ぶことも大切ですが、肌の色との相性が悪い素材だと悪目立ちしてしまい、アクセサリーに着けられているような印象を受けてしまいます。
実際に店舗で実物を試着させてもらいながら、違和感のない素材を探す方法がおすすめ。
たとえば同じゴールドでも、品質やデザインによって発色や色味が異なり、手元での見え方も変わるものです。
結婚指輪ではプラチナやゴールドなどの定番素材が人気ですが、個性やオリジナリティを求める場合は珍しい素材も選択肢に入ります。
夫婦のイメージや結婚生活のスタンスに合わせて、話し合いを重ねながら選択していきましょう。
ブライダルリングの多くがコレ!定番素材
ここでは、婚約指輪や結婚指輪に使われる定番素材をご紹介します。
定番素材は多くのジュエリーショップで取り扱っており、オーダーメイドやセミオーダーでも気軽に注文できる点がメリットです。
市場に出回っている量が多い分、珍しい素材と比較して加工に必要なコストも抑えられる傾向にあります。
素材ごとの特徴を学び、理想の指輪を作るための参考にしていきましょう。
プラチナ
プラチナ(白金:Pt)はブライダルリングの素材として一般的な金属の一つです。優れた耐久性を持ち、変色や変質もしにくいことから、日常的に着用するアクセサリーに用いられやすいことが特徴です。水濡れや汗にも強く、温泉やプールなどでも気軽に着用できます。
延性にも優れているため加工の幅も広く、オリジナリティにあふれたデザインの指輪を作れます。
粘り強く柔らかいというジュエリーとして理想的な特性といえるでしょう。
白金の名の通り、白く美しい輝きを放ちます。
ゴールド
ゴールド(金:Au)は、光沢のある金色(黄色)が特徴的な金属です。
酸やアルカリには強いものの、耐久性には難があるため単体だと加工しにくいことが特徴です。
そのためゴールドでジュエリーを作る際は、強度を出すために他の金属を配合することが一般的です。
1㎤あたりの比重が19.3gと重く、重量感のある結婚指輪が作れます。
少しでも日常生活にストレスを感じさせないために、幅が細いデザインや装飾が少ないデザインが好まれる傾向に。
金の純度は純金で24カラット(24K・24金)と表し、含有率により数値が低下していきます。
ピンクゴールド
ピンクゴールド(K18PG・Au750PG)は、金に銅・銀・パラジウムなどを配合した合金です。ゴールドのデメリットである耐久性の低さをカバーしたうえで、暖かみのあるピンクが表現されています。
花嫁衣装に似合うことからも、結婚指輪・婚約指輪ともに人気です。配合量によって色合いが変わり、淡いピンクから赤みが強いピンクまで幅広いカラーを再現できます。女性人気が高い素材の一つで、指輪以外でもネックレスや腕時計などに取り入れられています。
イエローゴールド
イエローゴールド(K18YG・Au750YG)は、金に銀や銅を配合した合金です。ピンクゴールドと同様に、ゴールド特有の耐久性の低さがカバーされた素材です。銀や銅の配合量によっては、本物の純金とよく似た輝きを再現できます。
金の配合量が減るほど価格も下がりますが、ゴールドならではの美しい黄色みからは遠ざかります。好みのカラーバランスと予算、耐久性を調整する楽しみがある素材ともいえるでしょう。
ホワイトゴールド
ホワイトゴールド(白色金:K18WG・K18G)は、金にニッケル系の金属やパラジウムなどが配合された合金です。他にも、銅・亜鉛・銀などが配合される場合があります。一般的な結婚指輪では、18金のホワイトゴールドか14金のホワイトゴールドが用いられます。
18金の場合は千分率で金750%、14金は585%です。また多くのアクセサリーでは、ロジウムで銀白色のコーティングがされています。
ゴールドよりも耐久性は高いものの、長期間使用しているとメッキが薄くなり地金が見えやすくなるというデメリットもあるため注意が必要です。
シルバー
シルバー(銀:Ag)は、アクセサリーの素材として長い歴史を持つ金属です。金と同様に耐久性に難があるため、加工の際は他の金属と配合することが一般的です。比較的柔らかく、加工の自由度が高いためオーダーメイドに対応しやすいという特徴があります。
特有の銀白色の光沢を持ち、アクセサリー以外にも幅広く活用されています。ただし長年使用していると、空気中の硫黄成分と結びついて黒ずんでしまうことも。この性質を活かし、あえて銀を黒くして立体感を出す「いぶし仕上げ」という加工方法も存在しています。
こだわり派におすすめ!定番以外の素材
ここでは、定番以外のおすすめ素材をご紹介します。比較的珍しい素材のためコストはかかりますが、自分たちならではの雰囲気を演出したい夫婦やカップルにおすすめです。男性でも自然に着用しやすい落ち着いた色合いの素材も多いため、定番素材とあわせて検討していきましょう。
チタン
チタン(Ti)は銀灰色の金属で、強度が高く耐久性にも優れている素材です。航空機や建築材料に用いられるほど丈夫で、日常生活で着用しやすいアクセサリーが作れます。さらに重さも軽く、一日中着けていてもストレスが少ない点が魅力です。
高い海水耐食性を持っているため、着用したまま海に入っても劣化しにくいとされています。金属アレルギーも起こりにくく、肌が弱い人でも比較的安心して着けられるでしょう。
ただし加工の難易度が高いため、オーダーする場合は他の金属よりもコストが発生する可能性があります。
パラジウム
パラジウム(Pd)は、プラチナと似ている輝きを放つ金属です。
価格の相場はプラチナの半分程度のため、出費をなるべく安く抑えたい人におすすめの素材です。
ただし加工が難しく、アレンジの自由度は低くなってしまいます。また金属アレルギーが発生しやすいため、肌が弱い人は避けたほうが無難でしょう。
ジルコニウム
ジルコニウム(Zr)は、白色系の色合いが特徴的なレアメタルです。
金属アレルギーが起こりにくく耐食性が高いため、温泉・スポーツ・海水でも気にせずに着用できます。
強度と硬度が高く、傷がつきにくい点も魅力です。
鮮やかで幅広い発色は美しく、青・ピンク・紫などカラフルな指輪が作れます。
ただし扱うブランドやショップが少ないため、店舗まで足を運ぶためのコストが発生します。
タンタル
タンタル(Ta)は、黒いガラスのような質感が特徴的な素材です。
すべての金属のなかで最も反射率が低く、クールで硬派なイメージのアクセサリーが作れます。
黒さと透明感を両立させたようなミステリアスな発色で作られた指輪は、まさに唯一無二の個性を発揮してくれるでしょう。
ただしタンタルは、加工が非常に難しい金属です。
浮き彫りや特殊な装飾は再現できない可能性に留意しましょう。
ステンレス
ステンレス(SUS)は、耐食性と耐熱性に優れた素材です。強度も高くメンテナンスが簡単で、汚れも付着しにくい点が魅力です。
見た目もクールでスタイリッシュなステンレスですが、取り扱っている店舗が少なく、サイズ調整しにくいというデメリットもあります。また金属の特性上、傷が付いた部分から錆び始める可能性があります。
木製
木で作られた指輪は、金属では得られない安心感が魅力です。
つるりと滑らかで着け心地がよく、見た目にも個性が現れます。
アレルギーの不安がほぼないため、誰でも安心して着用できるでしょう。
素材によって色や木目が変わる点も、木製ならではのオリジナリティです。
ただし金属と比べて衝撃や摩擦に非常に弱いため、「結婚指輪をずっと着けていたい」という人には向きません。
水濡れによる腐食にも不安が残るため、水仕事や入浴の際も注意が必要です。
コンビネーションリングって?
ここでは、コンビネーションリングの特徴や組み合わせの例をご紹介します。
コンビネーションリングには、単体の素材だけでは生まれない輝きや魅力があります。
宝石や装飾が控えめな結婚指輪を探している人や、指輪自体のディティールを個性的なものにしたい人は、ぜひ選択肢に入れてくださいね。
コンビネーションリングとは、異素材を組み合わせてつくられた指輪
コンビネーションリングとは、異なる貴金属を組み合わせてデザインされた指輪です。
金属同士を配合するのではなく、それぞれの素材のまま組み合わせて一つの指輪を作ります。
素材の違いだけではなく、加工や仕上げの方法もバラバラにできるため、オリジナリティの高い指輪作りが可能です。
組み合わせの母体にはプラチナが選ばれやすく、ピンクゴールド・イエローゴールド・ホワイトゴールドなどが人気です。
デザインの種類は幅広く、二種の金属をねじるように作ったものや、表面と裏面で素材を変えたもの、メレダイヤのように表面に規則的に別素材を取り入れたものなどさまざまです。
またコンビネーションリングは、素材の組み合わせによって強度が上がることもあります。
さらにデザインによっては単体の素材よりも華奢な印象になるケースもあり、異なる素材同士の「いいところ取り」ができるのです。
ただしコンビネーションリングでは、後からサイズ直しができないケースがあります。とくに妊娠前・妊娠中の女性が購入する場合は、出産前後で体型が変化する可能性を視野に入れましょう。
【金属アレルギーの方向け】婚約指輪・結婚指輪の素材選び
ブライダルリングの素材選びでは、金属アレルギーに注意する必要があります。
アレルギーが原因で、一生愛用する予定だった結婚指輪などを着けられないのは悲しいですよね。
何十年先も安心して着用できるように、アレルギー発症リスクが高い素材について学びましょう。
アレルギー発症リスクが高い素材は、「パラジウム」・「銅」・「ピンクゴールド」
婚約指輪・結婚指輪に用いられる金属のなかで、アレルギー発症リスクが高いものが「パラジウム」と「銅」です。
パラジウムも銅も単体で用いられるケースは稀ですが、この2つを有しているピンクゴールドは結婚指輪に人気の素材です。
とくにピンク(赤色の発色)が強いピンクゴールドは銅の配合が多く、金属アレルギー発症のリスクが高まります。
日本人のパーソナルカラーはピンクゴールドとの相性が良い傾向にあるため、「自分の手元に似合っているから」と購入してしまうケースがあります。
もちろん、ピンクゴールドを選んだからといって必ずアレルギーが発症するわけではありません。
実際に、何十年もの間ピンクゴールドの指輪を愛用している人もいます。
しかし将来的なリスクを減らしたい人や、普段から肌が荒れやすい人、他の金属でアレルギーを発症したことがある人は、パラジウム・銅・ピンクゴールドを避けたほうがベターだといえるでしょう。
金属アレルギーを発症する女性のなかには「生理前後だけ肌がかぶれる」というケースもあります。
不安な場合は、免疫力が低くなる時期にあえてピンクゴールドのアイテムを身につけ、体の変化を観察するのも一つの手段です。
ふたりにぴったりの素材探しを
今回は、婚約指輪と結婚指輪の素材の種類や選び方、注意点などをご紹介しました。
結婚指輪には上品さや華やかさだけではなく、夫婦のライフスタイルに沿った素材選びが求められます。
結婚式を控えている夫婦の場合は、写真に写ったときの婚約指輪と結婚指輪の相性も気にかけたいですよね。
別々の人間が同じデザインの指輪を着けるのですから、素材の好みが違っても悩む必要はありません。
日常的に使用する結婚指輪だからこそ、ふたりの価値観をすり合わせながらベストな素材を選んでいきましょう。