ダイヤモンドのカットの種類やグレード、それぞれの特徴や意味を解説!

ダイヤモンドのカットの種類やグレード、それぞれの特徴や意味を解説!

「宝石の王様」と呼ばれるダイヤモンド。「純愛」や「永遠の絆」といった石言葉を持つことから、婚約指輪として選ばれることが多い宝石です。ダイヤモンドはどの角度から見てもきらきらと輝き、思わず目を奪われてしまうほどの美しさですが、そんなダイヤモンドの輝きは「カット」の方法によって、まったく異なる表情を見せるんです。

たとえば、ラウンドブリリアントカットにはきらびやかな輝きが、エメラルドカットにはシックな透明感があります。自分にとってベストなダイヤモンドジュエリーを選ぶために、カット種類ごとの特徴を知っておくことが大切です。

今回は、そんなダイヤモンドのカットの種類やグレードについて解説。ハート&キューピッドについてもご紹介するので、指輪をお探しの方はぜひご覧ください。

2023年10月06日更新

Contents

  1. ダイヤモンドカットとは?
  2. ダイヤモンドカットは、ダイヤモンドの輝きを決める要素のひとつ!
  3. ダイヤモンドカットの種類について
  4. ラウンドブリリアントカット
  5. ペアシェイプ
  6. オーバルカット
  7. ラディアントカット
  8. クッションカット
  9. ハートシェイプ
  10. マーキースシェイプ
  11. ステップカット
  12. エメラルドカット
  13. アッシャーカット
  14. スクエアカット
  15. テーパーカット
  16. バゲットカット
  17. ミックスカット
  18. プリンセスカット
  19. ダイヤモンドのカットグレードについて
  20. EXCELLENT
  21. VERY GOOD
  22. GOOD
  23. FAIR
  24. POOR
  25. ハート&キューピッドとは?
  26. ハートを射止めるロマンチックなカット♡「ハート&キューピッド」

ダイヤモンドカットとは?

ダイヤモンドカットとは、ダイヤモンドの品質・価値を示す4Cのひとつ。ダイヤモンドの4Cは「Carat(カラット)」、「Color(カラー)」、「Cut(カット)」、「Clarity(クラリティ)」を指します。 

4Cはダイヤモンドの鑑定機関・GIA(米国宝石学会)によって制定された基準で、ダイヤモンドの購入時に付属している鑑定書を見れば、ダイヤモンドの4Cが確認できるようになっています。
 

「ダイヤモンドジュエリーの選び方や見分け方が分からない」という方は、4Cに注目して選ぶのがおすすめ。4Cについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。

ダイヤモンドカットは、ダイヤモンドの輝きを決める要素のひとつ!

ダイヤモンドのカットとは、ダイヤモンドの輝きを決める項目のこと。ダイヤモンドの削り方(カット)のことではなく、3つの評価基準によって判断されます。
カットの方法によって、ダイヤモンドの輝きは大きく異なるので、ダイヤモンド選びの際には考慮すべき要素といえます。

ダイヤモンドのカット品質に関する3つの評価基準は以下。

●プロポーション(比率):全体のバランス(クラウンの角度、パビリオンの角度、ガードルの厚さなど)
●ポリッシュ(研磨状態):研磨の精度
●シンメトリー(対称性):均整が取れているか

ダイヤモンドはct(カラット)が優れているだけでは、そのきらめきを引き出すことは不可能。全体的なバランスが素晴らしくても、表面がきれいに磨かれていなければ光がうまく反射せず、また、どれだけ表面が美しくても、均整が取れていないダイヤモンドはくすんで見えてしまいます。

ダイヤモンドがきらめいて見える理由は、表面と内部の反射光によってシンチレーション(表面反射)が生じるから。ダイヤモンドに通る光の反射を計算する「カット技術」があるからこそ、魅力的な輝きが生まれます

また、汚れがたまることも輝きが鈍る原因となるので、こまめな手入れを心がけることも大切。ダイヤモンドは非常に硬い石として知られており、鉱物の硬さを評価する「モース硬度」は最高値を誇りますが、衝撃を受けた際には、意外と簡単に割れてしまうので取り扱いに注意が必要です。

ダイヤモンドカットの種類について

ダイヤモンドのカットには、さまざまな種類があることをご存じでしょうか。一般的なダイヤモンドカット15種類をご紹介。カットごとの特徴を解説します。

●ラウンドブリリアントカット
ペアシェイプ
オーバルカット
ラディアントカット
クッションカット
ハートシェイプ
マーキースシェイプ
ステップカット
●エメラルドカット
アッシャーカット
スクエアカット
テーパーカット
バゲットカット
ミックスカット
プリンセスカット

ラウンドブリリアントカット

ラウンドブリリアントカットは、ダイヤモンドにおいて最もスタンダードなカット。中央部分が丸く、中央からは放射線状にカットされています。「ダイヤモンドといえば、この形」をイメージする方も多いでしょう。 

ラウンドブリリアントカットは17世紀にヴェネツィアにて生まれた、歴史の長いカット技術。長い年月をかけて試行錯誤を繰り返し、現在の形状へとたどり着きました。「いかに美しく見えるか」の観点において、数学的に計算し尽くされた形状と言えます。
 

取り込んだ光を全反射させるように屈折率が考慮されたカットは、ダイヤモンドの輝きを最大限に際立たせます。キラキラとした理想的な輝きが見られるため、婚約指輪に使われるダイヤモンドの定番カットでもあります。

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ペアシェイプ

ペアシェイプのペアは「洋梨」を意味し、涙のしずくを連想させる形のカットのこと。ティアドロップと呼ばれ、円形以外の形にカットする「ファンシーカット」の一種です。

ペアシェイプは丸みを帯びているので、優雅な雰囲気を演出してくれます。一方の端がとがる形状により、指をすっきりと長く見せる効果が期待でき、スタイリッシュかつ気品ある形状です。

ペアシェイプの細長い形状はダイヤモンドを大きく見せるため、同一カラットのものよりもゴージャスな印象を与えます。また、揺れるアクセサリーと相性がよく、ピアスやイヤリング、ネックレスにも使われることが多いカットです。

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オーバルカット

オーバルカットは、丸みのある楕円形のカットのことで、オーバルは「卵」を意味しています。サファイアやルビーなど、色をもった色石によく使われるカットです。
オーバルカットの曲線は柔らかい印象を与え、どのような指にも似合いやすい点が特徴。また、縦横の比率によって印象が左右されるので、ラウンドブリリアントカットよりも、少し個性を出したい方におすすめです。
いくつか比率の異なるものを見比べてみて、お好みの比率を見つけてみてください。

ラディアントカット

ラディアントカットは、角型でコーナーが切り取られた形状。ラディアントは「光輝く」や「光を放つ」といった意味を持ち、他のカットよりも強度が高く、直線的なフォルムからは力強さが感じられます。
縦横の比率によって異なる魅力を発揮し、長方形・正方形のどちらも人気です。大粒の石が似合うカットのため、結婚指輪にもぴったり。

ラディアントカットは、1977年にヘンリー・グロスバードによって開発されました。ラウンドブリリアントカットがもつ「ファイア*」と、エメラルドカットの「上品さ」が組み合わさり、ラディアントカットが誕生したとか。

*…光の屈折によって生まれる虹色の輝きのこと

クッションカット

クッションカットはピローカットとも呼ばれ、名前の通りクッションのような丸みのある四角型です。ラウンドブリリアントカットと同じく、ダイヤモンド特有の無色透明な輝きが見られるのが特徴。

ダイヤモンドならではの明るさを楽しみつつ、円形以外の形に仕上げたい方に向いているカットで、スタイリッシュな中に女性らしさが感じられる形状は、多くの方を魅了しています。

ハートシェイプ

ハートシェイプは言葉の通りハートの形をしており、「かわいらしさ」や「女性らしさ」を重視したい方に向いています。女性からの支持が厚く、デザイン性の高さが魅力のカット。

映画『タイタニック』でヒロイン・ローズがハートシェイプのネックレスを身につけていたことから、人気が高まりました。カットには高い技術を要し、原石をふんだんに使用するため希少性が高いことも特徴。

「愛」や「幸福」を象徴するハート型は、ふたりの愛を約束する結婚指輪にふさわしいモチーフ。ピンクダイヤモンドやカラーダイヤモンドとも相性がよく、かわいらしさが引き立ちます。

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マーキースシェイプ

マーキースシェイプは小舟のような形をしており、上品でシャープな雰囲気があります。細長い楕円形で曲線の両端がとがっているため、実際のカラット数よりも大きく見える点が特徴です。 

マーキスは「侯爵」を意味し、18世紀のフランスにおいて活躍した、ポンパドゥール侯爵夫人の魅惑的な笑顔が、名前の由来と言われています。
 

中央にボリュームがあるので、マーキースシェイプのダイヤモンドは非常に明るく輝きます。小粒でも美しくきらめくことから、ダイヤモンドと相性がよいカット。
単体で魅力的なのはもちろん、いくつかを組み合わせて花や蝶などのモチーフをつくると、より一層華やかなデザインになります。

ステップカット

ステップカットとはテーブル面(一番上にある平らな面)が長方形で、外周に平行な面が階段状に並んでいるカットのこと。ストーン自体の内包物や傷が目立つので、よい素材を使わなければ美しく仕上がりません。

ステップカットが用いられている代表的なカットは、以下の通りです。

----------------------
・エメラルドカット
・アッシャーカット
・スクエアカット
・テーパーカット
・バゲットカット
----------------------
ラウンドブリリアントカットやラディアントカットのような派手な輝きはありませんが、ステップカットならではの落ち着いた佇まいに魅力を感じる方も多く、輝きよりも透明度を重視したい場合に向いています
年齢を重ねるにつれて、女性はシックなダイヤモンドが似合うようになることもあり、結婚10年目や20年目のアニバーサリーリングとしてもぴったり。

エメラルドカット

エメラルドカットは、エメラルドのよさを引き立てるために考えられたそう。エメラルドだけでなくダイヤモンドにも適しており、ラウンドブリリアントカットと同じくらい用いられることが多いカットです。

直線的な形状は大人っぽい印象を与え、どのような年代からも評価が高く、アンティークやカジュアルデザインのリングにもマッチします。

カット面が少なく原石の欠点を隠すことが難しいため、できるだけ質の高いダイヤモンドを選ぶのがエメラルドカットを選ぶときのポイント。モダンかつ風格がある装いは、和服にもよく似合います。

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アッシャーカット

アッシャーカットはシンメトリーが美しいカットで、1902年にジョセフ・アッシャーによって開発されました。ジョセフ・アッシャーのカット技術は非常に高く、当時「天才カット師」と呼ばれていたほど。
「ダイヤモンド=丸くなければ輝かない」という常識を打ち破るような、美しくきらめくスクエアカットで、階段状になっているので、吸い込まれそうなほど奥行きがあります。

58面体のラウンドブリリアントカットに対し、アッシャーカットは74面ファセット。ファセットとは、ダイヤモンドの外側のカット面を指します。ラウンドブリリアントカットよりもカット面が多く、暗い場所でもきらきらと輝きます。

さらにアッシャーカットに改良を重ねた結果、「ロイヤルアッシャーカット」が誕生。洗練された高級感があふれるロイヤルアッシャーカットは、透き通るような輝きを放ちます。

スクエアカット

スクエアカットは、ステップカットが用いられている正方形のカット。カット面が広いため輝きよりも透明感が印象的になり、エレガントな雰囲気を持っています。王道なデザインよりも、少し個性的に仕上げたい方にスクエアカットは適しています。

テーパーカット

テーパーカットは、細長い台形型のカットのことで、ステップカットの一種。テーパーカットのテーパーは「傾き」や「傾斜」を表しています。

メインストーンとしてではなく、サイドストーンに使用される場合が多いカットで、個性的かつ幾何学的な形がメインストーンを引き立て、オリジナリティのある指輪に仕上がります。メインストーンを曲線的なカットにして、サイドスト-ンを直線的なテーパーカットにするのも相性抜群。お互いのラインが活かされて相乗効果が生まれます。

バゲットカット

バゲットカットは、ステップカットが施されている長方形のカットのこと。細長いパン「バゲット」が名前の由来となっています。
同じくステップカットが採用されているエメラルドカットとの違いは、コーナーの角を残すかどうか。エメラルドカットは角を落としますが、バゲットカットは角を残すため、角張ったシェイプがよりシャープな印象を与えます。

バゲットカットは大きなストーンに施すと、角が欠けることがあるため、ほとんどの場合、小さなサイズのストーンに使用されます。メインのストーンをバゲットカットが用いられたサイドストーンで囲むことで、リング全体が華々しくなります。

ミックスカット

ミックスカットはブリリアントカットの「輝き」と、ステップカットの「デザイン性」を組み合わせたカットです。

一般的には上部がブリリアントカットで下部がステップカットになりますが、上下が逆のパターンもあります。ルビーやサファイアといった色を持つ色石の多くは、ミックスカットを採用しています。
ミックスカットの中でも代表的なカットが「プリンセスカット」です。

プリンセスカット

プリンセスカットはミックスカットの一種で、別名「クォードリリオンカット」とも呼ばれています。四角型でありながら、ブリリアントカットの明るい輝きを楽しめるのが特徴。カット面の数を増やすことで、きらきらとした独特の反射が生まれました。 

比較的新しいカット方法で、近年注目を集めています。繊細なカットからは洗練された雰囲気がただよい、女性からも男性からも好まれるカットです。 

また、「プリンセス」というネーミングに惹かれる女性も多いよう。海外人気も高く、特にアメリカでは多くの方に婚約指輪として選ばれています。 

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ダイヤモンドのカットグレードについて

ダイヤモンドのカットグレードは、大きく5段階にランク分けされます。

●EXCELLENT
VERY GOOD
GOOD
FAIR
POOR

ちなみに、こちらのカットグレードが適用されるのは「ラウンドブリリアントカット」のみ。ラウンドブリリアントカット以外は、カットグレードの評価対象となりません。

それでは、各グレードについて解説していきます。グレードを参考にしながら、お気に入りの指輪を探してみてください。

EXCELLENT

EXCELLENTは、ダイヤモンドのカットグレードの最高評価です。カットを評価する3要素(プロポーション、ポリッシュ、シンメトリー)のいずれかが、EXCELLENTと評価されているものを指します。一般的には、グレードが上がるほど価格も高くなる傾向にあります。

カットの3要素がすべてEXCELLENTと評価されたダイヤモンドは「3EX(トリプルエクセレント)」と呼ばれます。業界最高水準である3EXは特別な日の贈り物に適しているので、婚約指輪として人気が高いグレードです。

VERY GOOD

VERY GOODは、EXCELLENTの次に評価が高いグレードです。品質にこだわるならば、エンゲージリングはVERY GOOD以上のグレードがおすすめ。 

せっかくなら最高評価のEXCELLENTを選びたいと思う方も多いと思いますが、VERY GOODとEXCELLENTを肉眼で見分けるのは困難なので、VERY GOODの評価であれば十分ともいえます。

GOOD

GOODは3番目のグレードにあたります。VERY GOODほどは反射がはっきりしないため、GOODのダイヤモンドには暗がりやくすみがあります。ダイヤモンド特有の「輝き」や「明るさ」にこだわりたい方には、VERY GOODかEXCELLENTのものが向いているでしょう。 

VERY GOODやEXCELLENTよりも手頃な値段で購入できる点が、GOODのダイヤモンドを選ぶメリット。ファッションジュエリーとして用いられることが多いグレードです。
 

FAIR

FAIRは5段階のカットグレードのうち、4番目のグレードです。全体的な形のバランスの悪さや対称性のズレなどが光の反射に影響を与え、平均よりも輝きが劣ります。

POOR

POORのダイヤモンドは、最下位のグレードで、他のグレードよりも暗がり・くすみが明確です。EXCELLENTとPOORのものを並べてみると、輝きが異なることがひと目で分かるでしょう。 

ハート&キューピッドとは?

最後に、デザイン性の高さで女性から支持される「ハート&キューピッド」のダイヤモンドについて解説していきます。

ハートを射止めるロマンチックなカット♡「ハート&キューピッド」

ハート&キューピッドとは、専用のスコープでのぞき込むと「8個のハートと8本の矢」が見えるダイヤモンドのこと。ハートを射止めているように見えるため、プロポーズのシーンにふさわしいカットです。ロマンチックかつ幻想的な模様が、多くの女性を魅了しています。

一定以上のプロポーションと優れたシンメトリーをもつダイヤモンドにのみ、ハート&キューピッドは現れるため、相場よりも高値で取引される傾向に。 

しかし、必ずしも「ハート&キューピッド=最高水準のカット」というわけではありません。シンメトリーが優れていれば、EXCELLENTより下位グレードのVERY GOODでもハート&キューピッドが現れると判明しているため、カットグレードと、ハート&キューピッドを混同しないように注意しましょう。


今回はダイヤモンドカットの種類や、5段階のカットグレードについて解説しました。ダイヤモンドのカット方法は、輝きを左右する重要な要素のひとつ。カットの評価はプロポーションやポリッシュ、シンメトリーによって決まります。 

王道で華やかな指輪を探している方には、ラウンドブリリアントカットがおすすめです。ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出すので、婚約指輪としてもぴったりでしょう。 

ラウンドブリリアントカットには5段階のカットグレードが設けられており、EXCELLENTが最高評価です。プロポーションとシンメトリーが優れたダイヤモンドには、ハート&キューピッドが見られることも。ダイヤモンドのカットの種類とグレードについて知り、お気に入りの指輪を見つけてくださいね。

本記事は、2023年10月06日公開時点の情報です。
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