両家顔合わせの手土産は何を選ぶ?おすすめの品や渡し方のポイント
両家顔合わせは、これから親族になる者同士が親睦を深めるための大切なイベントです。
顔合わせの場を和やかにするためのアイテムとして、手土産が挙げられます。
気持ちの込められた品物には金額以上の価値があり、当日の緊張感を和らげてくれるでしょう。
今回は、両家顔合わせの挨拶で持参する手土産の選び方をご紹介します。
選び方のポイントや注意点を抑え、お互いに好印象を与えられるような顔合わせを目指しましょう。
おしゃれで華やかな商品を選ぶことも大切ですが、何より「相手のためを想って選んだ」という気持ちが伝わるものを選んでくださいね。
2023年09月14日更新
Contents
両家顔合わせで失敗しない手土産を選ぼう!
ここでは、両家顔合わせで持参する手土産の選び方をご紹介します。
両家顔合わせは、初めてお互いの両親が紹介され、精神的な距離感が縮まるイベントです。
手土産は両家の心と心をつなぐ架け橋のような役割があります。
また結納の文化が減っている昨今では、両家顔合わせは結納と同様に重要な意味を持っていることも。
両家の親睦を深めるために適切な手土産を持参し、自己紹介も兼ねるような話題づくりにつなげていきましょう。
そもそも手土産って必要?
手土産とは、訪問への感謝の気持ちを込めた贈り物です。
訪問相手への感謝を表すために持参します。
手土産とお土産との違いは、旅行先で購入するわけではない点です。
そのため手土産は、地元の銘菓や百貨店の贈答品向けのお菓子などがよく選ばれます。
両家顔合わせの時点で、新郎新婦はお互いの両親への挨拶は終わっているケースが多いはず。
そのため手土産を渡すのは親同士であり、結婚するふたりは持参しなくても問題ありません。
両家顔合わせでは、顔合わせの会場があらかじめ決まっている場合、手土産を持参しないケースがあります。
なぜなら手土産には「訪問への感謝」という意図があるからです。
とはいえ片方の両親が手土産を持ってきているのにもかかわらず、もう片方の両親が手持無沙汰で来てしまったら、顔合わせスタート時点から気まずくなってしまいますよね。
両家顔合わせの手土産では、事前に新郎新婦が両親に相談したうえで、手土産を持参するかどうかを確認しておきましょう。
もちろん訪問場所がどちらかの実家の場合は、訪問する側が手土産を持参します。
訪問される側は基本的に用意する必要はありませんが、今後の関係性を良くするために用意する場合もあるようです(訪問される側の用意は必須マナーではありません)。
手土産は感謝の気持ちを表現する以外にも、会話が弾むきっかけになります。
たとえば地元の銘菓であれば、自分やパートナーが幼少期から好んでいるお菓子であることも。
子ども時代の思い出話や、地元の名産・郷土料理などについて話すきっかけにもなるでしょう。
予算の相場は3,000~5,000円程度
両家顔合わせの手土産では、予算の相場は3,000~5,000円程度といわれています。
今後のために高級な手土産を準備したくなる気持ちもありますが、予算を大幅にオーバーする手土産はかえって相手側に失礼になる可能性があります。
受け取った側を恐縮させてしまうようなギフトは、マナーが守れているとはいえませんよね。
反対に、リーズナブルすぎる手土産も失礼にあたります。
安すぎず高すぎず、適度な金額の手土産を選びましょう。
ただし金額に関しても、両家の価値観の擦り合わせが大切です。
手土産の有無と同様に、価格についても各々の家庭で確認しておくと安心です。
お互いに必要以上の出費がかさまないために、高くても1万円以内に収まるように調整してください。
また通念として、「カジュアルギフトとフォーマルギフトの境目は5,000円」という認識があります。
絶妙な金額差で迷ってしまったら、5,000円をやや超える程度の金額だとバランスがとれるでしょう。
もちろん相手の家の手土産がそれよりも下だった場合は、無理に高級な品を買う必要はありません。
選ぶときは「○○円 手土産」のように具体的な金額を入力して検索すると、予算に合った品を見つけやすくなります。
手土産を決めるときは両家の好みをリサーチして
持参する手土産を決めるときには、両家の好みやアレルギーをリサーチしておきましょう。
たとえば下戸の両親に地元のプレミアムな名酒を持参しても、相手を困らせてしまいますよね。
アレルギーにいたっては、手を付けられないということになってしまいます。
フルーツや生クリームなど、一般的に好きな人が多いお菓子でも苦手な人もいます。
「これなら大丈夫だろう」と決めつけず、パートナーにしっかりと調べてもらいましょう。
また素材やアルコールだけではなく、実家に住んでいる人数にも注意が必要です。
兄弟姉妹など家族が何人住んでいるのかや、病気によって食べられないものがある家族の有無をリサーチし、数が足りなかったり多すぎたりしないように心がけてください。
特に気を付けたいのが、塩分や糖分の多いスイーツです。
糖尿病のような生活習慣病や慢性腎臓炎などを患っている場合、医者からの指導によって食べ物が制限されている場合があります。
小さなお子さんがいる家庭の場合は、大人向けの味付けは控え、あえてシンプルな品を渡すとよいでしょう。
その際は、相手に気を使わせない範囲で「小さなお子さんでも食べられそうな品を選んだこと」をひと言添えると、より喜ばれます。
両家顔合わせにおすすめの手土産
ここでは、両家顔合わせにおすすめの手土産をご紹介します。
お互いの好きな食べ物を熟知できていればスムーズですが、事前に嗜好を完璧に把握するのは難しいですよね。
喜んでもらえる可能性が高い商品を厳選し、それぞれの両親にアドバイスをしていきましょう。
定番の菓子折り
両家顔合わせにおける手土産の定番は、菓子折りやスイーツの詰め合わせです。
グルメにこだわりがある両家でも満足できるような、老舗のお菓子を持参しましょう。
高級感や上品さが伴っていることはもちろん、相手の舌の好みに合わせてセレクトしましょう。
和菓子なら、どら焼き・おせんべい・最中(もなか)・米菓。
洋菓子なら、個入りのバームクーヘン・クッキー・サブレなどがオススメです。
お菓子に合わせた飲み物として、ドリップパックのコーヒーや昆布茶・紅茶などのお茶のギフトも添えると、さらに喜ばれるでしょう。
持ち帰りの移動時間や風味を加味すると、生菓子よりも焼き菓子が推奨されます。
レストランや料亭によっては飲食物を保管してもらえる可能性もありますが、外部の協力を前提とした品選びはおすすめしません。
縁起がいいもの
縁起がいいグルメギフトは、舌だけではなく心も温まります。
両家同士の「今後ともよろしくお願いいたします」の気持ちを込め、見た目よし・味よし・素材もよしの商品を選びましょう。
縁起がいいスイーツギフトとして定番の品の一つが、縁起物をモチーフにした最中や和菓子の詰め合わせです。
瓢箪(ひょうたん)・鯛・達磨・四葉のクローバーなど、見ているだけで幸運が近付いてきそうなディティールの商品がおすすめです。
イベントごとに重宝される紅白饅頭も、顔合わせにピッタリのギフトといえます。
誰にでもわかりやすい縁起物であり、両家の幸せと繁栄を願って選ばれます。
同じくわかりやすい手土産として、おめでたさが伝わるたい焼きも人気です。
他には「よろこんぶ」としてお祝い事に用いられやすい昆布や、「太く長い夫婦生活」の意味が込められたうどんなども選ばれやすい傾向にあります。
甘い物が苦手でお酒も飲まない相手には、夫婦円満の象徴でもある鰹節もおすすめです。
地元の名物や特産品
結婚するふたりが地元を離れている場合は、それぞれの地元の銘菓や特産品が喜ばれます。
顔合わせの多くはふたりが中心になり主催しているため、個人的に両親にリクエストしておくとスムーズです。
地元に関連する商品は、思い出話に花が咲きます。
話下手の人にとっては、重要な会話のきっかけにもなりますよね。
手土産の持ち帰りを加味しなくてよいシチュエーションの場合は、お米のような重いものでもOK。
今後の人生をともにする親族として、それぞれの風習や郷土料理への理解を深める時間は大切です。
地元に関連するギフトから、料理好き・お酒好き・スイーツ好きなど、思わぬ共通点が見つけられるかもしれません。
お酒やおつまみ
相手の両親がお酒好きであることが事前に判明している場合は、お酒やおつまみのギフトがとても喜ばれます。
そもそもお酒はお祝い事に華を添えるアイテムとして、昔から活用されてきました。
結婚のお祝いも兼ねている顔合わせに選ぶことで、場がより盛り上がるでしょう。
地域限定のクラフトビールや上質な日本酒、年代物のブランデーなど、お酒関連のギフトの選択肢は豊富です。
もしも訪問先ですぐにお酒を開ける可能性がある場合は、アルコール度数が低めのお酒を用意すると安心です。
自分や自分の家族があまりお酒に強くない場合は、果物のリキュールや梅酒のような割りやすい商品を選ぶのもおすすめ。
とくに地元の果物で作られたリキュールは話題も広がりやすくなります。
炭酸水やジュースなど相性の良い割り物も添えると気が利いていますね。
お酒の種類にあまりこだわりがない場合は、縁起が良い名前の商品を選ぶのも楽しいものです。
たとえば「開運(純米酒)」・「来福(純米吟醸酒)」・「富士(純米吟醸酒)」など、日本酒にはお祝い事にピッタリの名前の商品が多く展開されています。
おつまみでは、燻製ギフトや海鮮珍味などが定番です。
ここでも、地元の食材を使った乾きものや加工品を用意できるとプレミアム感が上がります。
単品としては華に欠けますが、お酒の付け合わせとしては高級な缶詰め(鮭フレーク・ツナ・鯖など)もおすすめです。
両家顔合わせの手土産で気を付けること
ここでは、両家顔合わせの手土産で気を付けたいポイントをご紹介します。
一般的には人気のギフトでも、顔合わせにおいては雰囲気を悪くしてしまう可能性があります。
失敗するリスクを最小限にするために、見た目だけで選ばず内容までしっかりとチェックしていきましょう。
避けたほうがいいもの
両家顔合わせの手土産では、形に残るものよりも食べ物・スイーツ・お酒などの「消えもの」が無難です。
縁起物であっても、物として残ってしまう品は相手方の負担になるため避けるべきでしょう。
また消えものでも、賞味期限が短く日持ちしないものは避けてください。
食事会を開催するタイプの顔合わせの場合は、自宅まで持ち運びやすいものを選びます。
サイズが大きくてかさばるものや重いものは避け、簡単に運べる品をセレクトしましょう。
また家の考え方によっては「切り分ける」という行為から「縁を切る」が連想され、縁起が悪いと受け取られることも。
バウムクーヘン・カステラ・個包装ではない羊羹などは避けたほうがベターです。プレゼントする場合は、事前に切り分けられているものを選びましょう。
相手が自家用車でない場合は、お酒やジュースのようなドリンク・ボトルも避けると安心です。
往復までに時間がかかる場合は、生菓子のような持ち帰り時間に制限があるものも控えてください。
熨斗(のし)は必要?
両家顔合わせの手土産では、お祝い事として熨斗を添える必要があります。
熨斗紙でも構いませんが、格式高い家の場合は失礼にあたる可能性があるため注意しましょう。
熨斗は「紅白もろわな結び」を選び、表書きは「御挨拶」と記入します。
両家ともに、名入れは「苗字のみ・外のし」が適切です。
もし結婚する本人が手土産を持参する場合は、男性の名入れはフルネームで「外のし」、女性は控えめに「内のし」を選びましょう。
女性の場合は男性と同じ体裁に合わせてもよいとされています。
顔合わせが結納に準じたイベントである場合は、熨斗紙は「紅白10本ま結び」が適しています。
表書きは、初対面の場合は「御挨拶」。
2度目以降であれば「壽」と記入してください。
レアケースではありますが、顔合わせの時点で婚姻の承諾がはっきりしていない場合は「紅白蝶結び」を選ぶとよいでしょう。
ただし顔合わせの雰囲気によっては、熨斗・熨斗紙をつけることで堅苦しくなってしまう可能性も。
両家の関係性に応じて柔軟に対応しましょう。
渡すタイミングはいつ?
手土産を渡すタイミングは、顔合わせの会場に着いた後から着席する前のタイミングです。
両家が揃って挨拶が一通り終わったら手渡します。
もしも着席の時点で渡し損ねてしまったら、お開きのタイミングで渡しましょう。
両家顔合わせの手土産の渡し方
ここでは、両家顔合わせ当日での手土産の渡し方を解説します。
畏まった場ではもちろん、和気あいあいとした場でも最低限のマナーは大切です。
堂々と振る舞えるように、細かな順序や動作を学んでおきましょう。
包んでいた風呂敷から取り出す
手土産はもともと風呂敷に包んでおき、渡す直前に風呂敷から取り出します。
お互いに持ち帰ることが前提の場合は、持ち帰り用の紙袋も同じタイミングで渡しましょう。
風呂敷が準備できなかった場合は紙袋でも構いません。
また熨斗紙と同様に、堅苦しい雰囲気にしたくない場合は最初から紙袋を選んでもOKです。
家に訪問する場合の手土産では相手が持ち帰る必要はないため、使用した紙袋は畳んで自分で持ち帰ります。
ただし手渡すタイミングが店先のようなカジュアルなシーンの場合は、紙袋のまま渡しても失礼にあたらないとされています。
熨斗紙の名前が相手側に向くよう渡す
手土産を渡すときには、熨斗紙の文字・名前が相手から読める向きで手渡してください。
渡す際には、手土産の内容に触れると後の流れがスムーズになります。
たとえば「日本酒がお好きだと○○からお伺いしましたので、○○県で地産地消で作られている日本酒をお持ちしました。お口に合うかわかりませんが、ぜひ地元の味を召し上がってください」
などのように、相手を思って選んだ商品であることを伝えましょう。
手土産は心の表れ!相手の喜ぶ姿をイメージして選ぼう
今回は、両家顔合わせの際の手土産の選び方や、おすすめの手土産などをご紹介しました。
手土産には商品としての価値だけではなく、お互いを思いやる心も込められています。
手土産を選んだ時間や悩んだ時間なども、すべてがギフトになりますね。
自分や家族のことを想って選ばれたギフトは、一目見ただけでわかるもの。
反対に、適当に選ばれたギフトも意外とわかってしまうものです。
手土産には、その人の人となりや心のあり方が現れます。
たかが手土産、されど手土産。親族として今後をともにするからこそ、最初の印象が肝心です。
「有名だから」「高級だから」という理由だけで選ばず、相手の喜ぶ姿をイメージして選定してくださいね。