入籍に戸籍謄本は必要?発行方法&取り扱い時の注意点を解説

入籍に戸籍謄本は必要?発行方法&取り扱い時の注意点を解説

戸籍謄本(こせきとうほん)は、本籍地以外の市区町村に婚姻届けを提出する際に必要になります。住んでいる都道府県外のパートナーと籍を入れるときや、現住所と実家の市区町村に違いがある場合はほぼ必ず必要になると考えられるでしょう。

今回は、ライフステージの変化と密接な関わりを持つ戸籍謄本について紹介します。多くの手続きに必要な書類であるのにもかかわらず、しっかりと学ぶ機会が少ない戸籍謄本。この機会に意味や概要を学んでいきましょう。

2023年12月25日更新

Contents

  1. 戸籍謄本ってなに?
  2. 「戸籍」は国民の身分関係を明記した公文書
  3. 「戸籍謄本」は戸籍内容を明記した証明書
  4. 「戸籍抄本」は戸籍の一部を抜粋した証明書
  5. 入籍に戸籍謄本は必要?
  6. 本籍地以外で婚姻届けを提出する場合は「戸籍謄本」が必要
  7. 戸籍謄本はどこで発行できる?
  8. ①本籍地のある役所に行く
  9. ②郵送で取り寄せる
  10. 戸籍謄本の取得にはなにが必要?
  11. 役所の窓口で入手する場合
  12. 郵送で入手する場合
  13. インターネットで入手する場合
  14. コンビニで入手する場合
  15. 戸籍謄本の取り扱いの注意点
  16. 取得のタイミング
  17. 提出期限
  18. 盗難・紛失に気を付ける
  19. 必要書類や期限を確認して、スムーズな提出を

戸籍謄本ってなに?

ここでは、自分や家族の身分を証明する戸籍謄本の基本的な知識について解説します。結婚や入籍、パスポートの発行申請など、戸籍謄本は重要なシーンで必要になります。事前に意味や必要性を確認し、いざというときに慌てないように準備を進めておきましょう。

「戸籍」は国民の身分関係を明記した公文書

戸籍謄本の意味を理解するためには、戸籍の基本知識を知る必要があります。戸籍とは、出生から死亡までの身分関係について登録・公証するための公簿です。身分関係とは、出生・死亡・親族関係・結婚などが含まれます。
戸籍は、日本国民について編製され、日本国籍を公証する唯一の制度です。国民一人ひとりの人生にかかわる重大な制度であるため、全国で適性かつ円滑に処理されるように法務局長や地方法務局長が助言・勧告・指示をおこなっています。

「戸籍謄本」は戸籍内容を明記した証明書

戸籍には親族情報が記載されていますが、記載されている全員分の身分事項を証明する資料が戸籍謄本です。そもそも戸籍は、夫婦と未婚の子どもによって構成されています。そのため戸籍謄本には、一組の夫婦から連なる親族の身分事項が記されています。

戸籍謄本の発行のために必要な戸籍簿(同一市町村内の戸籍を、地番号および戸籍筆頭者の五十音順につづった帳簿)は役所で保管されており、本人や代理人が申請することで取得が可能です。戸籍謄本は、車の名義変更・相続税申告・不動産の名義変更などのシーンでも必要になります。

「戸籍抄本」は戸籍の一部を抜粋した証明書

戸籍謄本には、戸籍に記載された全員分の身分事項が記されています。この内、一人または複数人の身分事項を証明するための資料が戸籍抄本(こせきしょうほん)です。たとえば夫婦二人の間に子どもがいる場合、子ども一人のみの身分を証明するために必要な資料は戸籍抄本になります。

戸籍謄本と戸籍抄本に記載されている身分事項について、異なる要素はありません。戸籍謄本は「全部事項証明書」、戸籍抄本は「個人事項証明書」とも呼ばれます。戸籍抄本は名前の通り、原本の内容を一部抜粋して写したものなのです。

入籍に戸籍謄本は必要?

ここでは、入籍における戸籍謄本の必要性について解説します。夫婦は結婚するとふたりで新しく戸籍を作成しますが、相手の離婚歴や子どもの事情によっては、相手の籍に入るケースがあります。

入籍に戸籍謄本が必要なシーンについて学び、結婚準備に備えましょう。

本籍地以外で婚姻届けを提出する場合は「戸籍謄本」が必要

入籍時には、入籍届けとは別に婚姻届けが必要になります。婚姻届けを「自分の本籍地以外の自治体」に提出する際には、戸籍謄本の提出も求められます。市区町村の規定により異なりますが、基本的には本籍地以外の夫または妻の戸籍謄本のみを用意すれば問題ありません。

戸籍謄本の他には、本人の戸籍抄本が必要になる場合もあるため事前の確認が必要です。ただし2024年からは戸籍法が改正されるため、本籍地以外の自治体へ婚姻届けを提出する場合でも戸籍謄本の提出が不要になります。詳しくは、提出先を管轄する自治体の最新情報を確認してください。

戸籍謄本はどこで発行できる?

戸籍謄本に関するよくある質問として、発行方法や発行する場所が挙げられます。ここでは、戸籍謄本が発行できる場所をご紹介します。期限がある場合は早めの受け取りができるように役所の受付時間を確認しておきましょう。

①本籍地のある役所に行く

戸籍謄本は、本籍地の市区町村役場の窓口で受け取れます。本人が直接出向いた場合は、交付申請書に名前・本籍地・必要枚数などを記入して提出することで取得可能です。また家族や友人などの代理人でも交付の申請ができます。手数料は、全国一律で450円です。

ただし代理人の申請では、本人の委任状が必要です。使用目的を明記したうえで、本人の本籍地のある役所の窓口にて申請します。ただし、代理人が本人と同じ戸籍に所属している場合は、委任状が不要です。戸籍謄本は都道府県の規模や体制にともない、市役所や区役所によっては取り扱いをしていないため注意しましょう。

②郵送で取り寄せる

戸籍謄本は、役所に直接赴かなくても郵送で取り寄せることが可能です。その際は、本籍地の役所宛てに必要書類を揃えて提出します。送付先の住所は、役所のホームページで確認可能です。

また郵送の他に、市役所・区役所内のサービスコーナーや、市内・区内のコンビニのマルチコピー機、オンライン申請も可能なケースがあります。コンビニのマルチコピー機による申請は、マイナンバーカードと住民基本台帳カードがあれば取得できます。

戸籍謄本の取得にはなにが必要?

ここでは戸籍謄本の取得に必要なものについて説明します。戸籍謄本の申請では、戸籍課をはじめとする窓口に最初から用意されているものと、自分で用意するものがそれぞれ存在しています。提出時に不備に気づくことがないように、入手方法と併せて確認しておきましょう。

役所の窓口で入手する場合

役所の窓口で戸籍謄本を入手する場合、必要なものは以下の通りです。

・印鑑
・本人確認書類

印鑑は、認印(届け出を提出していない個人の判子)で構いません。本人確認書類は、運転免許証・パスポート・マイナンバーカード・顔写真つきの住民基本台帳カードなどが対象です。

また本人の代わりに代理人が赴く場合は、以下のものが必要になります。

・印鑑
・委任状
・代理人の本人確認書類

印鑑は同じく認印が許可されており、委任状は本人からのものに限ります。本人・代理人問わず、顔写真つきの本人確認書類が提示できない場合は、国民健康保険証とあわせて別途書類が必要になる場合もあるため、役所のホームページを確認しておきましょう。

郵送で入手する場合

郵送で戸籍謄本を入手する場合は、以下のものが必要になります。

・請求書
・本人確認書類の写し
・手数料
・返信用封筒
・委任状(代理人が請求する場合)

請求書は、フォーマットを役所のホームページからダウンロードし、印刷したうえで記入します。代理人が請求する場合は、代理人の本人確認書類の写しを用意しましょう。

手数料は、手数料分の定額小為替を郵便局で用意します。返信用封筒には切手を貼り、宛名に自分の住所と名前を書いて封入しましょう。

インターネットで入手する場合

戸籍謄本をインターネット上でオンライン申請する場合は、以下のものが必要です。

・マイナンバーカード
・マイナンバーカードに対応したスマートフォン
・クレジットカード

マイナンバーカードは、署名用電子証明書が有効な状態に限ります。また署名用電子証明書の暗証番号も把握している必要があります。市区町村により、クレジットカードの対応ブランドも確認しておきましょう。

コンビニで入手する場合

コンビニのマルチコピー機で入手する場合は、以下のものが必要です。

・マイナンバーカードもしくは住民基本台帳カード
・手数料

電子証明書が搭載されているマイナンバーカード(または住民基本台帳カード)では、暗証番号だけで利用可能です。証明書ごとに設定された暗証番号があるため、そちらをスムーズに入力できるようにしておきましょう。

戸籍謄本の取り扱いの注意点

ここでは、戸籍謄本を取り扱ううえでの注意点をご紹介します。戸籍謄本を安心して活用するために、スケジュールや管理方法を今一度確認しておきましょう。

取得のタイミング

戸籍謄本が必要な場合は、取得のタイミングに注意してください。たとえば結婚記念日を決める場合は、入籍日や婚姻届けの提出日に設定するカップルが多い傾向にあります。婚姻届け提出のためには戸籍謄本が必要になるため、希望日に戸籍謄本が手元にないと、一生の後悔になってしまう可能性もあるでしょう。

戸籍謄本の申請では、窓口の受付でも申請から3日前後で発行が可能になります。また本籍地以外の戸籍謄本を希望する場合は、10日前後の日数が必要になる場合もあります。

通常郵便では申請後約1週間、コンビニでは即日の交付です。オンラインの場合でも、申請から約1週間の日数が必要です。

提出期限

戸籍謄本は交付時点での内容であり、有効期限は設けられていません。そのため戸籍謄本の提出期限は、提出先の規定によって決まります。「〇日以内に発行されたもの」など自治体が定めている決まりに従って、戸籍謄本を取得・提出しましょう。

盗難・紛失に気を付ける

戸籍謄本を所持する際は、盗難や紛失に細心の注意を払ってください。戸籍謄本は自身の戸籍や所在を証明するためのものでしかなく、顔写真も付いていないため単体では悪用されにくい傾向にあります。
しかし印鑑証明や委任状があれば、当人を偽りお金を借りられてしまう可能性もあります。また戸籍の附票では現在の住民票登録地がわかるため、住民票を他の市町村に転出させることも可能となります。さまざまな犯罪の要因になりかねないため、安全な環境で管理しましょう。

必要書類や期限を確認して、スムーズな提出を

婚姻届けの提出時に戸籍謄本が必要かどうかは、自身やパートナーの本籍地や、婚姻届けを提出する役所によって異なります。

ふたりの本籍地・提出する役所が同じ場合は必要ありませんが、異なる場合は当人の戸籍謄本が求められます。「パートナーは戸籍謄本が必要だが、自分は必要ない」というケースも考えられるため、入籍前にはお互いの本籍地や提出する役所、提出期限などを確認しておきましょう。

本記事は、2023年12月25日公開時点の情報です。
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