入籍と結婚の違いは?意味を徹底解説&結婚記念日の決め方

入籍と結婚の違いは?意味を徹底解説&結婚記念日の決め方

プロポーズを経て、晴れて婚約状態になったふたり。「あとは婚姻届を提出するだけ」と思いきや、婚姻届と入籍届の違いがわからず混乱してしまう場合があります。

今回は入籍と結婚の違いや、提出の流れについてご紹介します。入籍の法的な意味や書類の準備方法についても解説していきますので、入籍予定日から逆算しながら知識を深めていきましょう。

2023年12月25日更新

Contents

  1. 「入籍」と「結婚」の意味について
  2. 「結婚」とは
  3. 「入籍」とは
  4. 「入籍」と「結婚」の違いって?
  5. 「結婚」=「入籍」ではない!
  6. 「結婚」=「入籍」になることはある?
  7. 「婚姻届」と「入籍届」の違いって?
  8. 「婚姻届」の意味
  9. 「婚姻届」に必要なもの
  10. 「入籍届」の意味
  11. 「入籍届」に必要なもの
  12. 「入籍しました」の結婚報告は間違い?
  13. 厳密には「結婚しました」が正解
  14. 婚姻届の提出や入籍と結婚式はどちらを先にすればいい?
  15. 婚姻届の提出と結婚式の順番に決まりはない
  16. 結婚記念日はいつになる?
  17. 婚姻届の提出日を結婚記念日にするのが一般的
  18. 必要書類を事前に確認して、結婚準備を進めよう!

「入籍」と「結婚」の意味について

ここでは、入籍と結婚の意味や違いについてご紹介します。

その前に、入籍と結婚違いを知るには、それらと深い関わりを持つ「戸籍」について知る必要があります。

戸籍とは、国民の身分関係を示した公文書です。基本的な戸籍は、夫婦・未婚の子など、同じ氏(名字)を名乗る家族単位で構成されています。戸籍には本籍地・戸籍の筆頭者・同じ戸籍に入っている全員分の名前などが記載されており、それぞれの続柄が記されています。

婚姻届の提出に必要な戸籍とは、戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)のことです。戸籍謄本とは、戸籍の内容をすべて写した証明書を指します。戸籍謄本のなかから必要な人数分だけを写した資料が、戸籍抄本(戸籍個人事項証明書)です。

以上の解説を踏まえたうえで、結婚と入籍の違いについて学んでいきましょう。

「結婚」とは

結婚とは、1組の男女が法律上の夫婦になることを指します。お互いの婚姻意思が合致した末に生じる身分行為です。法律的に夫婦として認められるためには、婚姻意思の合致とあわせて、役所への婚姻届の提出が求められます。

婚姻届が提出されていない状態でも、「事実婚」として結婚状態が認められます。しかし一般的には、「結婚=ふたりの婚姻意思が合致している・婚姻届が提出されている」という認識で問題ないでしょう。

婚姻届を提出して受理されると、ふたりはそれぞれの親の戸籍から抜けることになります。そして新しく夫婦の戸籍を作成するため、入籍(相手の籍に入る行為)とは異なるのです。

「結婚しました」とだけ伝えると、周りは「結婚式を挙げただけかもしれない」と思う可能性があるため、報告の際は「婚姻届を提出して結婚しました」のほうがふさわしいでしょう。

結婚と婚姻の違いは、日常用語か法律用語かによるものです。日常用語で夫婦になることを結婚、法律用語で夫婦になることを婚姻と呼びます。

日本国憲法で定められた結婚は婚姻を指し、憲法内による婚姻は「両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」と定義されています。

「入籍」とは

入籍とは、既存の戸籍に入ることです。結婚では、初婚の夫婦に限り新しく正式な戸籍を作成します。反対に、パートナーのどちらかもしくは両方が再婚の場合は、相手の戸籍に変更する可能性があります。

法律上の入籍が認められるのは、以下のようなケースです。

・結婚する前からパートナー(配偶者)が独立しており、自分だけの戸籍を作成していた場合
・自分は初婚だがパートナーが再婚で、初婚の際に作成した戸籍が存在している場合
・自分が再婚する際に、パートナーの連れ子を「戸籍上の筆頭者である男性」に変更する場合
・子どもが父親の氏を持つ際、離婚時に母親の氏への変更を希望する場合
など


入籍届の提出は、既存の戸籍に入るために必要な民法上の手続きであり、婚姻届の提出とは異なるものです。また1つの戸籍に入れる関係性は、原則的に夫婦と未婚の子どものみです。そのため、初婚同士が結婚する多くの場合は、自分も相手も元の戸籍から離れるため、入籍にはなりません。

まとめると、戸籍と入籍には「戸籍には必ず入っていなければならない」「戸籍に入れるのは夫婦か未婚の子供のみ」という2つの大きなルールがあります。

そして法律婚を選んだカップルは、必ず「ふたりで新しい戸籍を作る」か「相手の戸籍に入る」のどちらかから選ばなくてはなりません。

何らかの事情で「相手の戸籍に入る」を選んだ場合のみ、入籍という言葉が使われるのです。

「入籍」と「結婚」の違いって?

ここでは、入籍と結婚の違いについてさらに掘り下げて解説していきます。入籍でも結婚でも、婚姻関係から夫婦関係になること自体は変わりません。入籍ならではの特徴をチェックしながら、必要資料の確認に役立てていきましょう。

「結婚」=「入籍」ではない!

前項でも説明したように、結婚と入籍は同義ではありません。民法上の結婚は婚姻届を出したタイミングで成され、入籍届の提出はあくまで相手の籍に入るために必要な手続きです。

そのため入籍する場合でも、法的に結婚するためには婚姻届の提出も必須です。一般的な順序としては、最初に役所に婚姻届を提出した後に入籍届を提出します。

たとえば子連れで再婚する際に、自分の戸籍に入っている子どもをパートナーの戸籍に入れるケースでは、入籍届が必要です。この場合は婚姻届の提出後、家庭裁判所で「子の氏の変更許可」の申し立てをします。「審判所謄本」を受け取って役所に向かい、入籍届とともに提出することで籍の変更が可能になります。

また自分の子どもとパートナーの間に法律上の親子関係を結ぶ場合は、養子縁組届も必要です。法律的に親子関係を認められない限りや、相続権や扶養義務なども発生しないため注意しましょう。

「結婚」=「入籍」になることはある?

結婚と入籍は異なる制度ですが、結婚が入籍になるケースがあります。それは、パートナーが個人的に戸籍を取得している場合です。

たとえば相手に離婚歴がある場合は、元配偶者と作成した戸籍に自分だけが残っているケースがあるでしょう。「財政的に独立したい」と当人が望んだ場合も、親の籍から抜ける可能性があります。

また本籍地を自由に決めたい場合や、親とは違う名字を名乗りたい場合にも戸籍を抜ける人がいます。ただし相手が独立した戸籍を所持していても、結婚するには婚姻届が必要であることを覚えておきましょう。

「婚姻届」と「入籍届」の違いって?

ここでは、婚姻届と入籍届の違いについて紹介します。制度が異なれば必要な書類も異なります。自分とパートナーの状態を今一度確認しながら、どのような書類が必要なのかを理解しておきましょう。

※項目内で紹介する「必要なもの」は、市区町村によって異なる場合があります。提出前に必ず本籍地もしくは所在地の市区町村のホームページを確認してください。

「婚姻届」の意味

婚姻届とは、結婚するときに提出する書類です。結婚することを「お嫁さんに行く」や「相手の家に入る」と表現することもあるため「相手の籍に入るのかな?」と思う場合もありますが、事実婚を除くあらゆる結婚の制度では必ず婚姻届が必要であり、入籍届とは異なります。

ふたりの夫婦関係は一部例外を除き、婚姻届が受理された時点で成立します。日本の法律に則り、婚姻届の提出は、お互いが18歳以上であること(令和4年4月1日現在で16歳以上の女性は18歳未満でも婚姻可能。ただし父母の同意が必要)が条件です。

「婚姻届」に必要なもの

・婚姻届書
・夫となる人および妻となる人の戸籍全部(個人)事項証明書
・届出人の本人確認書類
・夫となる人または妻となる人が未成年の場合、父母の同意書
・外国の方式により婚姻が成立している場合、結婚証明書、婚姻要件具備証明書をはじめとする必要書類(外国籍の方)

「入籍届」の意味

入籍届とは、親と氏が異なる子どもが、異なる氏の親の戸籍に入るときに提出する書類です。戸籍法上の入籍届は、限定された使い方で捉えられます。

「入籍届」に必要なもの

・入籍届
・届出人の印鑑
・家庭裁判所で発行された許可審判所の謄本
・国民健康保険被保険者証
・個人番号カード
・子の戸籍全部事項証明書および子が入籍する親の戸籍全部事項証明書

子どもの氏を変更する際や養子縁組を組む際は、別途資料が必要になる場合があります。詳しくは、本籍地もしくは所在地の市区町村のホームページを確認してください。

「入籍しました」の結婚報告は間違い?

では「入籍しました」という結婚報告は正しいのでしょうか。「結婚しました」も「入籍しました」も同じような意味で相手に伝わるイメージをもつ人が多いですよね。正しい伝え方を学びつつ、相手に誤解を生ませないコミュニケーションを心がけましょう。

厳密には「結婚しました」が正解

実際に相手の籍に入った場合でも、そうでない場合でも、結婚報告では「結婚しました」が適切です。なぜなら入籍しても婚姻届は提出するものであり、入籍=結婚ではないからです。

また入籍の制度は、結婚のシーン以外でも用いられます。たとえば夫婦が離婚し、子どもの戸籍を移したいケースです。

一般的には「入籍しました」でも「結婚したんだな」と相手に思ってもらえますが、言葉の正確さにこだわる場合は「結婚しました」と伝えるようにしましょう。

婚姻届の提出や入籍と結婚式はどちらを先にすればいい?

婚姻届の提出や入籍と結婚式の順番について解説します。昨今では夫婦のあり方や結婚のスタイルも多様化しており、婚姻届提出のタイミングも個人に委ねられる傾向にあります。法律上のルールはないからこそ、それぞれのメリット・デメリットを確認しておきましょう。

婚姻届の提出と結婚式の順番に決まりはない

婚姻届の提出と結婚式の順番には、明確なルールやマナーはありません。しかし過半数のカップルが、婚姻届の提出を先に終わらせているようです。

理由としては「正式に夫婦になって一緒に生活しながら結婚式の準備をしたかったから」や「式場の予約が1年先まで埋まっていたから、先に婚姻届を提出した」などが挙げられます。

婚姻届の提出を先に行うメリットは、周囲への報告が容易になることです。また結婚したという新鮮な気持ちで式に臨めることや、さまざまな手続きを協力しながら進められる点も嬉しいですよね。ただし、各種手続きと結婚式準備などを同時に進める必要があるため、多忙に苛まれる点はデメリットといえます。

婚姻届の提出を結婚式の後にすることで、結婚式や新婚旅行の準備にじっくり取り組めるという側面もあります。名義変更手続きなどは結婚式の後に回せるため、時間的にも精神的にも余裕が生まれます。ただし「婚姻届をまだ提出していないの?」「結婚記念日はいつ?」など周囲から質問される可能性もあるので心の準備をしておきましょう。

結婚記念日はいつになる?

ここでは、結婚記念日を決めるタイミングについてご紹介します。婚姻届や入籍届の提出日とは異なり、結婚記念日の設定は個人的な行為であるため、法的なルールは存在していません。パートナーと事前に相談しながら、スムーズに決められるように準備しておきましょう。

婚姻届の提出日を結婚記念日にするのが一般的

結婚記念日の決め方は、婚姻届の提出日にするのが一般的です。ただし「いつ提出するか」はカップルによって大きく異なります。思い立った日に提出することを決めたというカップルもいれば、数ヵ月前から結婚記念日にしたい日を決めて提出したというカップルもいます。

結婚の意志を決めた日と婚姻届の提出日に差が生じる理由はさまざまで「結婚式や披露宴が終わった後がいい」「縁起の良いお日柄にこだわりたい」「先に新婚旅行を済ませたい」「免許証やパスポートの名義を変更する余裕がある時期がいい」などカップルごとに異なります。

また結婚後は職場での名義も変更となる場合があります。特に女性は氏を旧姓から新姓に変更することが多い傾向にあり、キリの良いタイミングで変更したいという人もいるようです。

縁起の良いお日柄に入籍したい人は、大安・一粒万倍日・天赦日・鬼宿日・己巳の日・寅の日・神吉日・大明日・月徳日などがおすすめです。とくに大安は結婚式の日取りでも選ばれやすい縁起の良い日とされています。

必要書類を事前に確認して、結婚準備を進めよう!

結婚・入籍の意味の違いや、必要な準備などをご紹介しました。婚約期間では、結納や結婚式の準備、両家顔合わせ、友人・上司への報告や挨拶など、やるべきタスクが多く混乱しがちです。

忙しさに追われて希望の結婚記念日を逃してしまうと、一生の後悔になってしまいますよね。必要な書類や道具を早めに確認し、安心した状態で当日を迎えることが大切です。特に相手の戸籍の状態は、いざ婚約となるまでなかなか話題にならないことが多いため、しっかりと確認しましょう。

夫婦ふたりで情報を共有し合いながら、時間に余裕を持って準備を進めていきましょう。結婚記念日は、長い人生で何度も訪れる特別な一日です。最初の年を素敵な思い出にするためにも、まずは今できることから始めてくださいね。

本記事は、2023年12月25日公開時点の情報です。
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